EPRDFのビジネス帝国に険しい雲
EPRDF所有の企業、公職を私有化
1999年9月1日
入植後のアフリカでは、新政党が支援ステムを習慣的に利用することが当たり前になっている。つまり支持者の忠誠を公的資産や官職の地位と引き換えに買うことができるのである。ある程度の経済力があり、短期間の公職を予定している被任意者(公職を約束してもらった新政党の支持者)にとっては、賄賂、盗み、ゴマすり、縁者びいきなどのあらゆる手段を通じて、個人の富を増やすチャンスとなる。このような公職の私有化が、アフリカに優れた統治組織がなかなかできない原因となっている事は明らかだ。
エチオピアでは、このような慣習はこれまでなかった。質の悪い職権乱用の犠牲になったのは、実際のところごく最近である。君主政治やその腐敗にもかかわらず、エチオピアの官僚はプロ意識が高く、有能である事が知られている。しかしデルグ政権による私有資産の国営化は、国をさらに魅力的な経済商品にしてしまった上に、国を始めて広範囲に及ぶ腐敗にさらすことになった。デルグ政権に取って代わった統治権者は、実に巧妙で恥知らずなごまかしによって資金を引き上げ、政治権力を"私的な"経済力に変換した。かつてのサンダルを履いた社会主義ゲリラ達が、何億ドルの複合企業を支配する地位にふんぞりかえっている。
彼らが経験とある程度の着手資金を持っていた事は確かだ。ゲリラ軍隊の資金繰りを調達するには、国境を越えたスーダンやディアスポラとの貿易も含めて、手の届くテリトリー内で小規模なベンチャーのネットワークを設立せざるおえなかったのだ。さらに銀行の略奪や、無防備な市民から資金や税金を強要する事もした。リリーフ ソサイエティ オブ ティグレイのような政党がらみのNGOも、資金集めの隠れみのとして利用された。その結果、アフリカに政党率いるマフィア タイプの資本主義ともいえる、まったく新しいモデルが誕生した。この新モデルは地下組織活動や公然の活動という方法で、公的資産の盗み、通貨の詐欺と輸出、内部の人間による私有化、縁故/知人びいきの資本主義などを行なう。
与党の急成長するビジネス帝国の規模を正確に把握する事は、その企業の不透明な性質からいって困難だ。しかし真実はゆっくりと、恐ろしくも明らかになってきている。TPLFが所有するこれらの企業は、国内最大企業となっている。報告によると、支払い済みの資金のみで10億ビル(1億3千万 米ドル)から30億ビル(3億8千万 米ドル)の間を誇っている。
この金融/産業 寡頭政治の際立った特徴は、NGOという表向きでEFFORT(TPLF)とENDEAVOR(ANDM)という2つの持ち株会社のもとに組織されている事だ。例えばEFFORTは5つの主要部門で構成され、各部門は次の政党幹部が取り仕切っている:産業部門=アバディ ゼモ、鉱業部門=テドロス ハゴス、通産部門=セブハト ネガ、建設・運輸部門=アルケベ ウクベイ、農産部門=ツェガヤ タイヤリュー。
TPLF最大企業は次の通り :ウェガゲン バンク、グナ トレーディング、アルメディア テキスタイル アンドガーメント、アフリカ インシュアランス、ベルー ケミカル、エクスプレス トランジット、ハイウォット アグリカルチャル、メガネット、メセボ ビルディング、シバ タネリ、メスケレム インベストメント、メンフィン インダストリアル、スル コンストラクション、トランス−エチオピア。
ジュニア パートナーであるENDEAVORには、ダシェン ブルーワリー、ゼレク アグリカルチャル、ブルーナイル トランスポートなどの中流企業が名を連ねる。その他のEPRDF 企業も「成り金」計画を成し遂げようとする予備軍だ。
これら複合企業の第2の特徴は、彼らのネットワークがエチオピア経済全体に及ぶという事だ。さらに彼らの金融活動と株の相互所有は、メンバー銀行に調整されており、党によって資産は保護され、内密の契約が実施されている。
もう一つの特徴は、かなり積極的で多面的な拡大政策を採用するという事だ。つまり政府や海外援助契約に特別連絡したり、好条件と引き換えに個人会社を脅迫したり、国内、国外の投資家とジョイント ベンチャーを設立したりする。ミドロク エチオピア(サウジと関連のあるアル アモディが支配する)のビジネス帝国と政策的な同盟を結んでいると言われ、現在に至るまでの私有化利益25億ビルのうち、16億ビルを貢献した。
従って、これらの企業は与党の実質的な経済基盤を捻出する。上級幹部とその同僚は一瞬にして百万長者になり上がった。与党はすでに支配している多くの戦争資材に加えて、実質的な商業資産も増した。これだけの資産を所有することで、TPLFの拠点であるティグレイの工業化という届かぬ夢も、より現実的なものになったかもしれない。結局EPRDFの政治・経済組織は「政府の中の政府」を熱望したにすぎない。
政党が所有するビジネスは、エチオピアの生まれ変わりに険しげな危険を及ぼす
圧倒的な支配はもちろんとして、これらの企業の存在自体が3代に渡って国外から受けた不安定な影響を回復しようとしているエチオピアの政治生命にとって癌となっている。まず企業が貯えた富は、エチオピア国民から取り上げた病める所有物以外の何ものでもない。それは、人々のすでに薄れた政府への信頼を悪化するだけだ。さらに悪い事にこのようなあり方は若者に、組織化した暴力は手っ取り早く(今や合法でもあり)貧乏から金持ちになる方法である、というメッセージを送ることになってしまう。この腐敗に見られる系統だった性質は、メンギス ハイル マリアムやタムラド レインのような個人による公共資金の着服、横領よりも、もっと悪質な前例を示す。
またこのような制度は、競争力のある市場経済の成長を妨げる。不公平な富の配分は言うまでもない。事実上違法のビジネスを奨励し、法の支配を徐々に虫食んで行く。唯一考えられる競走はEPRDF(特にANDM、OPDO、SEPDC)等の出遅れメンバー同士における小競り合いくらいである。
最後に、たっぷり資金を貯えた政府の存在は、新たに政界入りする者に強固なバリアを築いてしまう。公平に戦う場なくして、最も汚れなく公平だと思われる選挙でさえも、結果は不公平なものだとおおよそは見当がつく。民主主義国家が、政党による営利目的のビジネス所有を禁じているのは、このような結果を避けるためだ。
事実の暴露、ビジネスに影響を与えるボイコット、法的手段に訴える活動などの断続的なキャンペーンが不可欠
エチオピアン デモクラティック アクション リーグ(Ethiopian Democratic Action League = EDAL)では、現状を懸念するエチオピア人、民間及び政治組織にエチオピアの政治や経済発展の阻止に対して抵抗するように呼びかけている。最も有効な平和的抵抗の手段として以下を提案する。
1. EPRDFのビジネス帝国に関する事実を暴露する方法論的なキャンペーン
2. 国内外で広い市場を展開しているEPRDF企業の主要製品に対する容赦のないボイコット キャンペーン
3. 登録済み政治組織による営利企業の所有を禁じているエチオピアの既存の法律を用いて、法の支配に対するこの図々しい茶番を暴く法的手段に訴える。
4. 政党がらみの企業や、NGOと不当な契約を結んだり、全地域に渡ってまかり通っている不当な援助プログラムの割り当てに対して、無関心を装ったり、その一端を担う事をやめてくれるように、プログラムに寄付してくれる国々や国際団体に訴える。
エチオピアにおけるいかなる独裁政治も、無抵抗に、罰せられる事もなく、栄えることは許されない。