国連人道関係調整事務(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs 、OCHA)
統合地域情報ネットワーク(Integrated Regional Information Networks 、IRIN)
エチオピア:政府がガンベラ(Gambella)での攻撃に関与している、と人権団体が報告
2004年1月15日、ナイロビ(IRIN)
エチオピア人権評議会(EHRCO)は、少なくとも93人が殺害された西エチオピア地域での民族グループ襲撃に、政府の防衛部隊が協力した、と主張している。水曜日、首都アジスアベバでの記者会見で、エチオピア人権評議会会長、メスフィン・ウォルデ・マリアム(Mesfin Wolde-Mariam)教授は、ガンベラに住む部族への襲撃に地元の部隊が関与していたと述べた。
政府は、この訴えを根拠なしとして斥けた。
12月中ごろ、国連のナンバープレートをつけた車両が待ち伏せ攻撃を受け、中に乗っていた3人の政府官僚を含む、8人が殺されたことがきっかけで、この戦闘が始まった。殺された人々の遺体はバラバラになっていたが、防衛部隊はガンベラの町で、これらの遺体を見せながら行進し、人々の怒りをあおった、とEHRCOは言っている。
地元の部族の1つである、アニュアク(Anyuak)族がこの待ち伏せ攻撃をしたとされ、そのために、以前からガンベラの町にあった緊張に火がついた、とメスフィン氏は述べている。このような事態を受けて、復讐を望む地元の様々な集団がアニュアク族を攻撃し始めた。メスフィン氏によれば、待ち伏せ攻撃以前から、土地や政治的権利を巡って部族間の緊張があったため、この戦闘が悪化した。
さらに、同氏によれば、このような緊張は、アニュアク族など、もともとこの地域に住んでいた5部族の間にあると同時に、もう一方で、高地人(highlander)と呼ばれる、比較的最近になって国内の他の地域から移住してきた人々との間にもある、とのことである。一部の高地人の中には、アニュアク族が「高圧的な態度」で、自分たちを十分に尊重していない、という反感があった。
待ち伏せ攻撃後の数週間、アジスアベバから800キロ西にあるこの地域では、急激に暴力と不安定な状態が広がっていった。
スーダンで活動している援助団体によれば、ここ数週間でアニュアク族1600人が国境を越えて避難してきており、毎日300人が流入してきているという。ガンベラ地域州のアニュアク族の長であるオケロ・アクアイ(Okelo Akuai)氏は、運転手および2人のボディガードと共にスーダンに避難したと見られている。
EHRCOはこの4週間のうちに殺されたアニュアク族93人の氏名を把握している、そのほとんどは待ち伏せ攻撃の翌日に殺されたとメスフィン氏は述べた。さらに、斧、なた、刃物、短剣などで武装した高地人がガンベラに住むアニュアクを攻撃したため、死亡者数は300人を超えるだろう、と付け加えた。「私たちの数字よりも多くの人々が殺されていると言っても差し支えないだろう。ガンベラで起こっていることは、大量虐殺寸前なのだ。」
さらにメスフィン氏によれば、攻撃直前、兵士が町の外へ出る道を封鎖したため、アニュアク族の5000人程が町の中の教会に逃げ込もうとした。「(政府の)防衛部隊と協力した群衆が、隠れる場所のない人々を攻撃し、殺されるもの、重傷、軽傷を追うものも多かった。」
ちなみにメスフィン氏は8年にわたって、EHRCOの会長を務めている。
エチオピアの「民族政策」は紛争に火をつけている、とメスフィン氏は言い切った。「紛争は増加し、危険な段階にきている。」彼によれば、この国の地域は民族ごとに境界が設定され、最大の民族が地方政治で最も多くの議席を獲得する。そのため人々は自分自身の民族性をますます意識する。
「とりわけ、辺境地方では感情が高ぶっている。」地域の長老たちに頼るといった方法も、緊張緩和に役立つ、とメスフィン氏は言っている。「そうすれば憎みあうこともなくなるだろう。何もしないでいれば、悪化するだけだ。」
一方政府の広報官ゼメドクン・テクレ氏は、情報省で、政府が発表した死者数の57人は正確であると繰り返した。また防衛部隊が関与したかもしれないとの訴えも否定した。「部隊が民間人を殺害する必要はない。」また、暴力に関与したと疑われる56名が逮捕された、と述べている。